家族シアター/辻村深月

「妹という祝福」をNHKFMで朗読を聴いて読みたくなった。
私の娘達も年子の姉妹。
けんかしても何しても妹には姉が
姉には妹が大切なのだ。
結婚式に妹にあてた手紙に!!
「孫と誕生会」
昔気質のおじいちゃんと
繊細が故におじいちゃんに素直に慣れない孫の話。
ホロっとくる。
「1992年の秋空」
学校に封筒を持っていき、学習と科学買っていた頃のわくわく感を思い出す。
二人の姉妹はお互いがもっていないものをもち
そして互いに憧れる
ここでもまた不器用な姉妹が
繋がりを深めていく。
ルポ誰が国語力を殺したか/石井光太
言葉が危ない。想像力が危ない。
私もずっとそう思っていた。
家庭環境が国語力に大きな関わりを持つ。
今の教育現場の問題が拍車をかける。
ゆとり教育、総合的な学習が理想の空回りで、国語力の低下をもたらす。
アクティブラーニングを目指す現代。しかし現場ではプログラミング、外国語、ネットリテラシー、キャリア教育と次から次へとおりてきたものに対応するのにアップアップ。それ以前に教員が不足し、教務主任や教頭が担任したり授業をもったりする。国語力どころではない。すべての教科の基礎は国語なのに。
現代の不登校はゲーム依存、スマホ依存と大いに関係している。麻薬、飲酒、ギャンブル依存同様ゲーム依存を問題視する。ゲーム依存治療のプログラムの大変さが心に残る。これは少年院の更生プログラムとも共通点がある。
1 子どもを心理的安全性に置く。
2 五感を刺激しながら言葉と思考のリハビリを行う。
3 言葉による成功体験を積み重ね、自己肯定感を高める。
4 実社会での希望や生きがいを見出させる。
でも、光明がないわけではない。
五感を働かせる体験から言葉とコミュニケーションを育てることを重視している学校の実践が紹介されている。読書郵便で友達同士で本を紹介し合い、本を読む環境つくりをしている学校。本物の自然、本物の芸術にふれさせることを目指す学校。
五感を刺激されると子どもは言葉を発し、表現力がアップしていく。
今、必要なものは
実感をともなう言葉と想像力
そんなことを考えるきっかけになるルポだった。
小澤征爾さんと、音楽のについて話をする/村上春樹
小澤征爾さんが亡くなられた時の、村上春樹さんの寄稿文。親友というより家族、いや自分の一部を無くしてしまったような哀しみが伝わってきた。
インタビューと言うより二人のクラシック音楽を仲立ちにした音楽&人生談義である。
村上春樹さんはジャズおたくだと思っていた。それは間違いだった。クラシックを含む音楽おたくだった。おたくは適切ではない。音楽は、村上さんの身体、生活の一部であり、理解も限りなく深い。たぶん、リズムとメロディが染み込んでいるのだろう。
文章を書くうえで、音楽からリズムを学んだという村上さん。そういえば、長編もリズミカルな文章と独特な比喩にひきこまれ、あっという間に最後まで読んでしまっでいる。
小澤さんの演奏に対する感想も、素人のそれではない。系統的に注意深く聴き込み、味わったものの感想だ。村上春樹、恐るべし。
小澤さんに影響を与えた「カラヤン先生」とバーンスタイン。そして齋藤秀雄先生。小澤さんの骨格は齋藤先生からできている。
スイスで若手音楽家にセミナーを開き、ロバート・マンさんと指導する章が圧巻だ。
「ネジを締める」という追悼文の言葉も出てきた。小澤さんのマジックと若手音楽家のスパークで、弦楽四重奏が変容していく。そのさまを村上さんが、如実に文章で描いていく。
二人の天才のスパーク、面白い!



