風のたより

まいけるのつれづれ〜読書日記を中心に

ルポ誰が国語力を殺したか/石井光太

言葉が危ない。想像力が危ない。

私もずっとそう思っていた。

 

家庭環境が国語力に大きな関わりを持つ。

今の教育現場の問題が拍車をかける。

ゆとり教育、総合的な学習が理想の空回りで、国語力の低下をもたらす。

アクティブラーニングを目指す現代。しかし現場ではプログラミング、外国語、ネットリテラシー、キャリア教育と次から次へとおりてきたものに対応するのにアップアップ。それ以前に教員が不足し、教務主任や教頭が担任したり授業をもったりする。国語力どころではない。すべての教科の基礎は国語なのに。

現代の不登校はゲーム依存、スマホ依存と大いに関係している。麻薬、飲酒、ギャンブル依存同様ゲーム依存を問題視する。ゲーム依存治療のプログラムの大変さが心に残る。これは少年院の更生プログラムとも共通点がある。

 

1 子どもを心理的安全性に置く。

2 五感を刺激しながら言葉と思考のリハビリを行う。

3 言葉による成功体験を積み重ね、自己肯定感を高める。

4 実社会での希望や生きがいを見出させる。

 

でも、光明がないわけではない。

五感を働かせる体験から言葉とコミュニケーションを育てることを重視している学校の実践が紹介されている。読書郵便で友達同士で本を紹介し合い、本を読む環境つくりをしている学校。本物の自然、本物の芸術にふれさせることを目指す学校。

五感を刺激されると子どもは言葉を発し、表現力がアップしていく。

 

今、必要なものは

実感をともなう言葉と想像力

そんなことを考えるきっかけになるルポだった。