風のたより

まいけるのつれづれ〜読書日記を中心に

読書

小澤征爾さんと、音楽のについて話をする/村上春樹

小澤征爾さんが亡くなられた時の、村上春樹さんの寄稿文。親友というより家族、いや自分の一部を無くしてしまったような哀しみが伝わってきた。 インタビューと言うより二人のクラシック音楽を仲立ちにした音楽&人生談義である。村上春樹さんはジャズおたく…

星野道夫と見た風景/星野直子 星野道夫

星野直子さんの本を開いた。星野道夫さんの撮ったアラスカの風景と直子さんの愛でる花の写真がそこにあった。二人の出会い。二人が経験した自然との共生。直子さんが初めて目にした空の芸術、オーロラ。その感動とアラスカへの愛着の深まりがここに記されて…

騎士団長殺し第1部/村上春樹

本棚に並ぶ「騎士団長殺し」が何か問いかけてる気がして、手に取った。案の定、すぐにひきこまれた。1Q84の時と同じように。次第に勢いを増して。謎がどんどん重なり、まだ謎は全然ほどけてはいないけど、まだ謎のままでいい。特に惹かれるのは妹のコミ。「…

場所はいつも旅先だった/松浦弥太郎

松浦弥太郎さんの人生訓や生活の心得みたいな本を読んできたから、この本は大きく期待を裏切ってくれた。若さに満ち溢れ、外国でも颯爽と生き抜く姿があった。彼女との出会い、別れ、憧れ、珍事件。羨望を感じるほどアクティブで勇猛果敢。ヴィーテージジー…

ボクの音楽武者修行/小澤征爾

青年は原野をめざす。小澤征爾さんの訃報が届いた。若い頃、この本がエネルギーを与えてくれた。小田実さんの「何でもみてやろう」とともに私のバイブルだった。貨物船で2ヶ月かけて、ヨーロッパをめざす。見えてくる島に、燃えるような夕焼けにひとつひとつ…

村上ラヂオ3/村上春樹

重い小説、難解な小説の後は村上春樹さんの脱力エッセイがおすすめ。中でも、村上ラヂオ2.3はかなり面白い。・オムレツを作ろう・献欲手帳・死ぬほど退屈な会話・とんでもない距離、ひどい道・いちばんおいしいトマトがお気に入り! 特に、村上春樹さんが学…

夏美のホタル/森沢明夫

恵三さんのしんみりした身の上話が、夏美さんの声かけでさらに潤んでくる。空気を換えてくれる弾む声と背中をさするあったかい手。夏美さんはとっても魅力的だ。やや内気なしんごくんも。田舎の風景は私の子どもの頃のまま。夏は、公民館で柔道を習った帰り…

海辺のカフカ下巻/村上春樹

ずっとずっとカフカ少年の孤独な魂を追いかけながら読んでいた。15歳の少年が本当の意味で強くなり、これから自分の旅を続けるために、必要だったこと。それがダイナミックな小説を通して語られていた。自分を捨てたと思い込んでいた母を求めるカフカ少年。…

ネオカル日和/辻村深月

本棚ぬひっそりとあった娘の本を発見。日本のネオカルチャー、新文化のエッセイ。ドラえもん世代の彼女がパーマン好きとはビックリ。子どもの頃、大好きだったパーマン。コピーロボットに憧れ、マスクが脱がされそうになる瞬間、ドキドキしていた。 能の話も…

村上春樹ラヂオ2/村上春樹

小説の村上春樹もいいけどエッセイの村上春樹はさらにいい。クスッと笑えるエッセイに、今週の村上というおまけ付き。今週の疲れがどどっと出て、テレビの画面を見て思い切り受け身で過ごそうと思ったけど、この本読んでたら疲れが抜けていった!あまりにも…

旅をする木/星野道夫

星野道夫展を訪ねたことがある。 カリブーの群れ、アラスカの自然に圧倒された。 久しぶりに星野道夫の著書を手に取った。 インターネットが普及し、世界との距離が短くなった。というのは勘違いかもしれない。 想像力が退化し、リアルな体温のある世界が遠…

1Q84 BOOK3/村上春樹

明日にしようかなと思って読んでいるうち全部読んでしまった。それだけ緊迫感があるということか。天吾、青豆に加えて牛河が登場したからかもしれない。牛河の生い立ちには共感と憐憫みたいなものを覚えるが、これ以上近づかないでくれという思いが頭をもた…

1Q84-BOOK2/村上春樹

前半最後のヤマ場を迎えた。青豆のためらい緊張感の中、リーダーと青豆の対話が重ねられていく。全てがわかったうえで横になったリーダー。予想していた通りだったが二人の命懸けの?対話が深く興味深い。 天吾と青豆が教団とどう関わっているのか関わらざる…

あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。/汐見夏衛

紅白歌合戦で福山雅治が映画の主題歌を歌っていたので、検索してみたら、特攻隊の話だと知った。そして元日、その映画を観た友人がこの作品の話をしてくれた。偶然というか必然だと思い、早速読み始めた。ティーン向けに書いてあるので、戦争中の日常もわか…