読めば読むほど切なく辛くなるのに
何で読んでしまうのだろう。
17歳に出会った井上暁海と青埜櫂。
二人は愛し合い、そしてすれ違う。
物理的距離
二人の仕事に対する思い
二人の金銭感覚
ズレていく二人。
同じような背景をもつ二人なのに
気持ちがすれ違っていく。
高校時代の恩師、北原先生が
瞳子さんが
二人を支えていく。
「正しさなど誰にもわからないんです。
だから、君も捨ててしまいなさい。
もしくは選びなさい。」(北原先生)
「自分の人生を生きることを
誰かに許されたいの?」(瞳子さん)
一番好きなシーンは
第4章の高円寺の二人。
今を慈しむように大切にする二人。
何でもないことで笑いあう二人。
余分なものは何もなく
必要なものはすべてある。
凪良ゆうさんの美しい比喩
ふたりの心のひだまで
映し出す文章
ずしーんと響く愛の物語。