風のたより

まいけるのつれづれ〜読書日記を中心に

あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。/汐見夏衛

紅白歌合戦福山雅治が映画の主題歌を歌っていたので、検索してみたら、特攻隊の話だと知った。そして元日、その映画を観た友人がこの作品の話をしてくれた。偶然というか必然だと思い、早速読み始めた。
ティーン向けに書いてあるので、戦争中の日常もわかりやすく、イメージしやすかった。戦時中は暗くて、みんな下を向いていると思っていたのに、笑いもあるし明るい挨拶を交わす日常もある。そんな驚きも文章中から飛び出してくる。

自分の本当の気持ちもお国のためという言葉で、置き換えざるをえなかった時代の恋愛を今の中学生が体験する。70年後を知っている中学生と終戦直前の青年の使う言葉は違うが、想いは重なっていく。純粋な想いの溢れる手紙にはグッとくる。

娘を一晩探し回った母親と娘の再会がまたいい。
きっと今までと違う日常が生まれる。
きっと今までと違う親子になる。