2024-02-02 世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド上/村上春樹 「街とその不確かな壁」を読んでから、村上春樹さんがさらに好きになった。初めは文体、比喩の面白さにひかれた。でも、長編でも最後までミステリアスだ。この本も、最新作に似ている。私の場合、読む順番が逆なのだろう。二つの異なる世界がどうクロスしていくのか。展開がダイナミックなハードボイルドよりも、世界の終りの方が、胸の奥に届く。いずれにせよ情景描写が村上春樹だ。モーツァルトのピアノ協奏曲もツルゲーネフもドストエフスキーが散りばめられ、わくわくする。