風のたより

まいけるのつれづれ〜読書日記を中心に

海辺のカフカ上巻/村上春樹

主人公の田村カフカとナカタさんが物理的に近づいてきた。
四国。
上巻の後半、ずんずん面白くなってきた。
キーワードは、オイディプス王の伝説か。

ナカタさんが教わったような関係性がどう絡んでいくのか。複数の人生を交互に語り、少しずつ繋げる手法は、村上春樹さんも原田マハさんも凪良ゆうさんも心憎いほど上手だ。
上巻でお気に入りは主人公の二人と大島さんだ。
大島さんが、想像力を欠いた人間を「うつろな人間」と呼び、論破するところが面白い!「想像力を欠いた狭量さや非寛容さは寄生虫と同じだ」ときっぱり言い切る。
この本でも図書館やシューベルトのピアノ・ソナタプッチーニのオペラが登場する。ブレンデルのピアノでシューベルトを聴こうかな。