風のたより

まいけるのつれづれ〜読書日記を中心に

大事なことほど小声でささやく/森沢明夫

森沢明夫さんの作品二つ目。
今回も森沢さんにしてやられた。
スポーツクラブに集まる濃い人々のほのぼのエピソードですすめられる。
井上美玲の担当西山とゴンママの緊迫の一瞬。
そのあとのゴンママの一言。
落差の大きさがたまらなくいい。
頑張りすぎの井上美玲に与えらた休暇。
他人事なんだけどなんか嬉しい。
孤を好む、いや孤を強いられてきた不器用な国見俊介。彼の恋物語もいい。
お節介な仲間たちのおかげで彼に居場所が生まれてる。
極め付けは四海良一の蜻蛉。
読み進めるのも辛い夫婦と娘の物語。
死んだ心、枯れた心に
再び潤いを与える展開。
参った。

「一瞬のいまを、大切に生きる-。阿吽って、そういう意味なんだって、ママに教えてもらったんです」
ゴンママはナイスなキャラだった。